大学院教育についてよくある質問
独創的な研究課題と研究領域の他にも、WPI-SKCM2を選ぶべき理由があります。WPI-SKCM2は、みなさんが無事に学位を取得できるよう、学生の研究生活と日常生活の両方を支えるための環境整備に取り組んでいます。
本拠点では、充実した研究環境を整備する一環として、若手研究者、博士課程後期学生、そしてポスドクに対して、海外の連携機関の研究者を含む合計3名のメンターによる共同指導の制度を設けています。そして本拠点によるスタートアップ研究費の支援を受けながら、これらのメンターと共同研究に取り組むことができます。たとえば、広島大学の物理学を専攻する博士課程後期学生が、広島大学の化学や数学を専門とする主任研究者2人と連携する海外機関の主任研究者1人から共同指導を受けることができます。このように複数名のメンターが分野の違いを越えて活発に連携して指導することは、学生が志望するプログラムで確実に学位を取得できるようにするだけでなく、学生にとって専門的な能力の養成や研究者としてのキャリア形成にも役立ちます。
また本拠点では、「キラルノット超物質」というテーマの下で多様なチュートリアルや短期コースを世界中で開催しており、学生は自分自身の専門とは異なる分野の重要な概念について学ぶことができます。この他にも、ノーベル平和賞受賞者による公開講義も予定されています。この公開講義は、世界平和を維持する上で科学者が果たすべき重要な役割あがあることを呼びかけるもので、そのメッセージは自然科学分野を軸とした本拠点のプログラムを補ってくれます。
そしてWPI-SKCM2の学生は、マサチューセッツ工科大学(MIT)やケンブリッジ大学、コロラド大学ボルダー校など海外の連携機関に一定期間滞在して、専門的な講義を受けることができます。WPI-SKCM2は、学生による国内外の連携機関との研究交流とそれに伴う旅費を手厚く支援します。また世界各国の一流研究機関から大学院生を頻繁に受け入れます。本拠点は、米国と英国の優れた博士課程プログラムをモデルとして、地球の持続可能性に貢献する基礎科学を担う将来のグローバルリーダーを輩出するような、学生中心の研究環境を整備することを目指しています。
また本拠点は、学生が東広島市で充実した日常生活を過ごせるよう、さまざまな支援を提供します。自治体とも連携して、来日する研究者とその同伴者向けに、就学や住居など日常生活への英語による支援が提供されます。また東広島市内に住んでいる・働いている外国人市民向けの日本語教室に申し込むこともできます。地域の人びととのコミュニケーションは、日本の社会と文化に対する理解を深める良い機会です。さらに外国人訪問者の家族や外国人留学生の家族に向けて、水引や折り紙、茶道など日本の伝統文化に親しむことができるワークショップが予定されており、週末には広島県の近隣でのハイキングも企画されます。
WPI-SKCM2は、科学研究に打ち込むための素晴らしい環境を提供します。学生やポスドクが集まれる共有スペースがVBL(Venture Business Laboratory)のなかに設けられています。また本拠点にとって活動の中心となる新棟も現在建設中です。この新棟には、”the Ideas-Exchange Louge”という名前のオープンスペースが設置される予定であり、異なる分野の間で融合研究と頭脳還流を生み出すために、打ち合わせや肩ひじ張らない議論ができる環境です。たとえば日常的に開催されるコーヒーミーティングやお茶会では、電子黒板の傍で、研究においてつまずいている問題について仲間や先輩研究者と自由に議論することができます。WPI-SKCM2は、広島大学の他分野の研究者とも密な関わりを維持しており、共同研究室では多様な科学的課題に取り組むことができます。また本拠点の活動を支えてくれる産業界や非営利団体ともネットワークを構築するよう努めています。
WPI-SKCM2は、さまざまな背景を持つ学生を募集しています。入学許可は、学生が志望する分野においてどのように貢献できるのか、その可能性を考慮して判断されます。
本拠点では、人種や肌の色、性的指向、性自認、宗教、年齢、国籍、政治的信条、障がいなど、研究や履修要件と関わりのない属性に基づくいかなる差別も行いません。また日本の大学院教育の課題である、研究機関におけるジェンダーや外国人留学生(研究者)の比率の平等を達成することを目的として、多様な人材からの応募を歓迎します。本学位プログラムのすべての学生は、秋学期からフルタイムで勉強を始めることになっていますが、特別な事由がある場合には、春学期から始めることも例外的に認められます。そしてWPI-SKCM2は、独自に奨学金や研究費助成を得ている候補者からの応募も歓迎します。あなたのフェローシップの要件やガイドラインに応じて、追加の支援を提供できる場合もあります。独自に奨学金や研究費助成を得ている応募者の方は、事前にメールにてご相談ください。
- 物理学、数学、材料科学、生物学、化学、宇宙論、地球惑星科学、またはその他関連分野における学士の学位を有すること
- 学際的な科学研究に興味があり、国内外の機関に在籍し異なる研究分野を持つ複数の指導教員と協働する意欲を有すること
- 研究遂行にあたって必要となる英語能力と柔軟なコミュニケーション能力を有すること
- 結び目理論やキラリティに関する予備知識は必要ありません
WPI-SKCM2では、5年間の博士課程学位プログラムが提供されます。(プログラムの2年目終了時点で審査があり、修士号を取得できます)。本プログラムでは、学生はフルタイムで学びます。学生は、本拠点が提供する必修講義を履修する必要があるとともに、本プログラムの履修要件を満たすために、広島大学の他の大学院プログラムから提供される物理学、化学、生物学、地球科学と宇宙論、数学などの講義も履修できます。
本プログラムには、以下のような特徴があります。
- 異なる分野の主任研究者から指導を受けることができる学際的な研究プロジェクトです
- トポロジーや結び目理論など重点分野とその関連分野における専門的な技能を養成し、研究者としての能力開発を支援します
- WPI-SKCM2を定期的に訪問する著名な科学者と交流する機会があります
- 連携する海外の研究機関を訪問して共同研究を実施する機会があります
本プログラムは、毎年4月と10月から始まる2学期制です。本学位プログラムのすべての学生は、秋学期から勉強を始めることになっていますが、特別な事由がある場合には、春学期から始めることも例外的に認められます。
WPI-SKCM2の学生は、合計3名の指導教員を選ぶことができます。このうち1名は広島大学に在籍する教員を選ぶことが必須になりますが、残り2名は日本国内外の研究機関に在籍する主任研究者(PI)、共同研究者(co-PI)、アフェリエイトメンバーから選ぶことができます。こちらから指導教員の候補一覧をご確認いただき、指導教員を応募書類のなかに記載してください。
WPI-SKCM2での事前審査が済むと、前述した広島大学の指導教員が在籍する大学院(大学院先進理工系科学研究科または大学院統合生命科学研究科)へ応募し、別途審査を受ける必要があります。
学生の生活費や教育費を支援する一環として、WPI-SKCM2では、学生は研究者として雇用され給与が支払われます。博士課程前期学生(博士試験合格前)は年間約100万円、博士課程後期学生(博士資格試験合格後)は年間約200万円です。博士資格試験に合格して優れた研究成果をあげている学生には、追加の支援が提供される場合があります。これらの経済支援は、学生が良い成績を維持していることが条件になります。
入学金:282,000円
授業料(年間):535,800円
2022-2023年度 生活費の目安
1学期(6か月間) | 1学年(12か月間) | |
単身 | $3,000-6,000 | $6,000-10,000 |
配偶者またはパートナーと2人 | $5,000-8,000 | $8,000-12,000 |
配偶者またはパートナーと子ども1人 | $8,000-13,000 | $13,000-16,000 |
子どもが1人増えるごと | $2,000-3,000 | $4,000-6,000 |
*1,000 USD = 140,000円
新型コロナウイルス(COVID-19)の流行、自然災害、その他の酌量すべき事情によって学業や生活面で影響を受けている応募者には、特別な配慮が提供される場合があります。該当する方は、応募前にWPI-SKCM2支援室(wpi-skcm2-admission@hiroshima-u.ac.jp)までご相談ください。
選考の過程で、学生と推薦者は、慎重な取り扱いと保護が必要とされる個人情報をWPI-SKCM2に提供するよう求められる場合があります。応募書類を提出することにより、入学許可を判断するために応募書類を審査したり経済支援の受給資格を評価する目的で、WPI-SKCM2がそれらの個人情報を利用することに同意したものとみなします。
入学許可を受け入れると、学生はWPI-SKCM2のコミュニティに加わることになります。このコミュニティの一員は、自由に表現・探究することを認められる一方で、知的に誠実であるとともに、他者の尊厳を尊重し、建設的な変化を受け入れることも求められます。
もし入学許可された候補者が、提出書類のなかで誤解を招くような、不完全な、または不正確な供述をしていたことが判明した場合、虚偽の応募書類を提出していたことが判明した場合、また学生が前記したWPI-SKCM2の理念に反する行為を学業・日常生活において行っていたことが判明した場合、WPI-SKCM2は、入学許可の取り消しまたは学位の取り消しも含む適切な措置を取ることになります。入学を許可された候補者は、過去または現在において前記したWPI-SKCM2の基準に反する行為があった場合、WPI-SKCM2支援室まで報告するようにしてください。
- 入学許可後に虚偽の申告が発覚した場合は、WPI-SKCM2大学院運営委員会で審議し、対応を決定します
- 学位授与後に問題が発覚した場合は、WPI-SKCM2大学院運営委員会で審議し、学位の取り消しも含めて処分を決定します