教育

WPI-SKCM2の重要な目標のひとつは、キラルノット超物質という学際的分野に関して深い専門的知識を有する次世代の研究者および教育者の育成です。世界トップレベル研究拠点(WPI)事業費の50%以上が、博士課程学生を含む若手研究者への支援に充てられます。またWPI-SKCM2はアウトリーチ活動にも力を入れており、私たちの研究の成果と魅力が若い学生や広く市民の方に届くように努めています。

大学院教育

WPI-SKCM2は多彩な大学院教育を提供しており、国際的および学際的な研究環境において活躍できる若手研究者の養成を目指しています。WPI-SKCM2の学生は、海外の連携機関の研究者を含む合計3名のメンターによって共同で指導され、きめ細やかな研究指導と研究者としてのキャリア支援を受けることができます。また博士課程後期学生は、マサチューセッツ工科大学(MIT)やケンブリッジ大学、コロラド大学ボルダー校など海外の連携機関に滞在し、専門的な講義を受けたり研究を行うことができます。さらにWPI-SKCM2は、週替わりで科学技術のさまざまな分野の世界的なリーダーを招くセミナーを開催するとともに、キラルノット超物質に関する重要概念について学ぶことができる学術講演会やサマースクール・ウインタースクールも企画しています。これらアウトリーチや情報発信などの活動は学生が主役になって進められており、学生にとって専門的な能力を開発したり、社会における学問の意義や役割について理解する機会になっています。

セミナー、学術講演会、サマースクール・ウインタースクール

WPI-SKCM2は、ハイブリッド形式のセミナーを毎週開催しており、世界中から研究者を招待して拠点の研究課題と関連した話題について発表してもらっています。また最新の科学技術の発展について学ぶことができる季節ごとのサマースクール・ウインタースクールやシンポジウム、ワークショップも企画しています。さらにすべての人々にとっての学びに供される目的で、これら講義の動画はアーカイヴとして公開されます。

アウトリーチ

WPI-SKCM2は、増大するエネルギー需要やその気候変動への影響など、まさに「結び目」のように解くのが困難な複雑に絡み合う地球規模の問題に対して、私たちの拠点における研究がどのように役に立つのか、科学者とより広い市民の人びとにわかりやすく伝えることにも力を入れています。私たちのアウトリーチグループは、アウトリーチ・広報担当の副拠点長である小鳥居 裕香 准教授が中心となり、広島県内の学校を訪問して、子どもたちが最先端の科学に触れることができる体験学習を提供したり、国内外のさまざまなイベントへ出向いて拠点について情報発信したりしています。私たちのアウトリーチ活動の特徴は、複雑な科学の概念や知識をわかりやすく紹介できることです。たとえばVR(バーチャルリアリティ)機器を駆使することで、結び目の幾何学やトポロジーを実際に目の前にあるかのように体験できます。また私たちのアウトリーチ活動は、科学者や科学技術業界からも関心を持ってもらえることを目指しています。WPI-SKCM2が季節ごとに開催するサマースクール・ウインタースクールは、公開講義を提供するだけでなく、世界中の様々な国におけるアウトリーチ活動のベストプラクティスを交換するプラットフォームとしての意義もあります。このような交流の目的は、研究者が自分たちの優れた研究成果をより効果的に発信できるようになることです。

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